京都旅1・嵐山の喫茶店で劣等感の話

07 27, 2017
7月25日(火)。
11時34分、京都駅に到着。
改札前でKYONと合流。
毎度のことながら、今回の旅のコースも京都人のKYONに完全にお任せする。私は川の流れに身をまかせる葉っぱ、もしくは海の波に身をまかせるクラゲ、もしくは風に身をまかせるタンポポの綿毛・・・とにかくそういう心持ちで、KYONという流れにプカプカついていくことにする。

京都駅前のホテルに荷物を預け、身軽になったところでJR嵯峨野線に乗車。
13時過ぎ、嵯峨嵐山駅に到着。

嵐山か・・・嵐山といえば、渡月橋にしか行ったことがない。今回も渡月橋に行くのかな?
・・・と思ったら、橋ではなく、たどり着いたのは喫茶店だった。綿毛、喫茶店に運ばれるの巻。

コーヒーショップ・ヤマモト。

嵐山で渡月橋ではなく喫茶店、って、なんだか贅沢。

腹ごしらえだね。

落ち着いた雰囲気。

店内では新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる地元のおじさんたちの姿もちらほら見られ、まさに、「生活に根付いた喫茶店」という感じ。いいなぁ。

和牛カツサンドを注文。

お肉のジューシーさがたまらない。

飲み物はアイスレモネード。

のんびり飲みながら、「劣等感」について話す。
劣等感と優越感って表裏一体で、どちらかしか持っていない、ということはありえないんだよね・・・という話。
「私はコレを持っている。あの人は持っていないけど」「他の人のアレより、私のコレの方がマシ」「あの人ってかわいそう・・・コレを持っていないなんて」という「人と比べようとする心」があると、その裏側には必ず自信のなさというか、劣等感があって、その劣等感が優越感を生み、自分よりももっと素晴らしいソレを持っている人が現れたら今度はその優越感が劣等感に変わる、というサイクル。劣等感が優越感に変わり、優越感が劣等感に変わり・・・終わらぬサイクル・・・

私にもたくさん劣等感があるけれど、でもそれって、結局相対の世界でこそ生まれるものだから、環境次第ではそれが優越感に変わって、上から目線でものを見てしまうことになるんだろうな、と。いや、今だって、あるところでは上から目線、あるところでは下から目線、で、ものを見ているな・・・としみじみ思った。かなしい色眼鏡。目が曇る。そして目が曇ると、まわりを批判したくなったり、裁きたくなったり、または自分を救世主と勘違いして救いたくなったりしちゃう。お前はマトリックスのネオなのかと。

別に優越感も劣等感も悪いものではないし、それが原動力になって大きな仕事を成し遂げる人もたくさんいるけれど、KYONと話したのは、そのどちらも持たない人、人と比べる心がない人、を見ると、とてつもない大きさを感じるよね・・・と。
どの面にもこだわりがない人なんてなかなかいないけど(そうなるともはや仏陀)少なくとも、自分がこだわっているソレについて、何のこだわりも引っかかりも持たない人を見ると、なんだか救われる気がする。もう比べなくていいんだ、と、教えてもらえたような気持ちになる。

と、会って早々劣等感トークに花を咲かせたところで、喫茶店を出て、こちらの古本屋さんへ。

LONDON BOOKS。

こちらでは、京都発の小冊子『シネマアピエ』を購入。

アピエシリーズはかなり好きなんだけど、関東ではなかなか手に入らなくて。
今号のテーマは『世界旅行』。映画でする世界一周・・・素敵なエッセイが詰まった一冊。

この後、今度は天龍寺へ向かう。

つづく。

京都旅2・天龍寺を歩く

07 27, 2017
京都旅1日目(7月25日)のつづき。嵐山の喫茶店で劣等感の話をしながらカツサンドを平らげたところから。

14時40分。天龍寺へ。

臨済宗天龍寺派の大本山。
この門構えを見て、「あれ?高校の修学旅行でここに来たかな?」と一瞬思う。でもよく思い出せない。

門を入り、前庭の蓮池を眺める。


泥水の中で清らかに咲く蓮の花・・・まさに仏教の象徴。
と、蓮の花に感銘を受けるようになったのは大人になってからで、子供の頃は全く興味がなかった。子供の頃は、ツツジの花に夢中だった。具体的には、ツツジの花の蜜を吸うのに夢中だった。

本堂の玄関に入ると、まずこのお方の目ヂカラにやられる。

達磨大師さん。なんて濃いお顔・・・まぁインドの方ですからね。

中を進む。

廊下を歩きながら、「あ、やっぱり修学旅行では来てないわ。ここに来るのは初めてだな」と気づく。他のお寺さんと混同していた模様。
高校の頃って、どのお寺も同じに見えていたような気がする。どこに行っても、「ふーむ。寺、だね」くらいの感想しか持たなかったような。修学旅行の時も、正直やっつけで寺をまわっていた・・・。
寺や神社や蓮の花に思春期の頃から感銘を受ける人は、素晴らしい感受性の持ち主なんだと思う。私はその頃は俗物にしか目が行かなかったけど・・・抹茶プリンとか・・・

庭園を眺める。


自然の美というより、人の美意識、という感じ。人の手が加わって、思いが加わって、この美しさが保たれている。(あとはやっぱり、お金と権力と信仰が集まった京都だからこそ長い間保たれている美しさ・・・とも言えるか)

でもまぁ、人間というのも自然の存在なので、その自然の存在である人間の手が生む庭園もまた、ある意味自然、なのか。



苔もよい感じ。

苔、アップ。

なんだろう、苔の一つ一つも誇り高く見える・・・

天龍寺の庭園の北門から、今度は『竹林の小径』へ行ってみる。


つづく。

京都旅3・大河内山荘で迷う

07 27, 2017
京都旅1日目(7月25日)のつづき。嵐山散策中。天龍寺から竹林の小径へ出たところから。

15時30分。竹林の小径を歩く。

ここは幻想の世界かしら・・・

竹・・・まっすぐで、しなやかで、静かで、強くて・・・

ブレやすくて、おしゃべりで、怖がりで・・・という私とは真逆の性格だな、竹って。見習おう。

この静かな竹林の小径を抜けたところに、大河内山荘庭園がある。


時代劇の名優・大河内傳次郎(1898~1962)が、30年かけてこつこつと創り上げたという庭園。

「ある一人の映画俳優が山荘を建てた」というと、一見、軽い道楽のように聞こえるけれど、とんでもない。

禅の世界、悟りの世界が、そのまま目の前に現れたような・・・大河内傳次郎という人の深い深い精神世界の中にお邪魔しているような・・・そんな気持ちになる、回遊式庭園。

一応順路の看板はあるけれど、それでも迷いそうになる。



細い石段の道をウネウネ進みながら、KYONと
「この道の作り方・・・わざとだろうね・・・」
「完全に、迷わせるために作っているよ・・・」
「心の迷い、って感じの道だよ」
「大河内傳次郎さんも、いろいろ人生に迷ったり苦しんだりしたんだろうね」
「苦しいからこそ、こんな素晴らしい庭園ができたんだろうしね」
「苦しさが原動力になるって、悪くない」
「たしかに、人生に苦しんでいる文豪や芸術家の作品って、なんか惹かれるよね」
と話す。
そして、話していたら、本当に道に迷ってしまった。傳次郎トラップ、おそるべし。

でも、細いウネウネ道に迷うからこそ、その道から抜けた時に見える景色が、とんでもなく素晴らしいものに見えるという。

パーっと広がる山!
おお、なんということであろう!こんな広大な山がすぐそこにあったというのに、細いウネウネ道を歩いている時は、迷うことに夢中でその存在に気がつかなかった!山はずっと、そこにあったのに!
と、思わず演劇調に感動したくなるほどの、大河内山荘庭園である。

最後、山荘内の休憩所でお抹茶と最中をいただく。

ふぅ。
ついさっきまで、大河内傳次郎という人のことは全く知らなかったのに、庭園を歩いたことで、大河内傳次郎という「世界」を、身体で味わうことができた。誰かの心の中を歩くって、こんな感じなのかな。

16時半。再び竹林の小径。

嵐山・・・こんなにたくさんの見どころがあったなんて、全然知らなかった。

この後、野宮神社へお参りした後、嵯峨嵐山駅から京都市内へ戻る。

つづく。

京都旅4・夜のカフェで語る

07 28, 2017
京都旅1日目(7月25日)のつづき。嵐山から京都市内に戻ったところから。

17時半。サー・トーマス・リプトン三条本店へ。

あの「紅茶のリプトン」のティーハウス。京都で初めて紅茶を提供したのもこのお店らしい。

さっそく入り、京都産トマト・モッツァレラ・バジルのパスタを注文。

トマトの酸味が爽やか。
パスタを食べながら
「・・・なんだかこの感じ、懐かしい」
「千葉時代を思い出すよ・・・」
と話す。
KYONとは長年、千葉そごうのアフタヌーンティールームで定例会をしてきたわけだけど(で、いつもパスタを食べていた)、今では二人とも千葉から引っ越してしまった。

私はともかく、まさかKYONが本当に京都に住むことになるとは・・・しかも「好き」という理由で。好きのパワーはすごい。「好き」が人を動かす。(・・・というタイトルの啓発本、ありそう)

メニューに「キューブティー」というのがあったので、頼んでみる。

それぞれに京都の名所の名前がつけられていて楽しい。私は「清水」(くず餅入りの新食感アイスとキウイゼリーで、清水の舞台に吹く爽やかな風をイメージしました、とある)をチョイス。

グラスの中に、具(っていうのかこれ)が入っている。

ほうほう・・・

その中に、瓶で出てきたアイスティーを注ぐ。

なんてハイカラ。・・・うん、清水の舞台に吹く爽やかな風が感じられる・・・ような気がする・・・

19時。フランソア喫茶室へ。

一日の最後はやっぱりここ。

ザッハトルテとアップルティーで夜のティータイム開始。

なんてゼータクな時間なんだろう。

ここでもやはり、「劣等感」について話し合う。
自分を大きく見せようとしたり、逆に、必要以上に小さく見せようとしたり、とにかくそんなことを咄嗟にやってしまうことがある・・・という話。
どんな時に大きく(または小さく)見せようとしてしまうのか、お互い自己分析し合ったけど、二人とも全く違う場面、全く違う内容で、それをやってしまうことが判明。こだわりどころが全然違う。

結局、張り合ってしまったり、よく見せようとしたり、何かを言われて「バカにされた」「下に見られた」と感じるところが、つまりはその人のこだわりどころなんだろうけど、このこだわりを持たない人に出会うと、自分がいかに重い鎧を着込んでいたかということに気付けるんだよね・・・

この話をしながら、思わずiPhoneに

『大きく見せようとすればするほど、小さく見える』

とメモをした私であった。

21時半、解散。
KYONは自宅へ、私は京都駅前のホテルへ帰還。


京都旅2日目につづく。

京都旅5・朝から足を清める

07 29, 2017
京都旅2日目(7月26日)の朝。京都駅前のアルモントホテル京都に一人宿泊中。

朝6時、起床。
身支度を整え、7時過ぎにはホテルをチェックアウト。
フロントにリュックを預け、2日目のお出かけスタート。

地下鉄に乗って京都駅から出町柳駅へ移動し、8時ちょうどにKYONと合流。

まずは高野川沿いをてくてく歩く。


KYONは朝、この遊歩道を走ったりしているらしい。なんて健康的な京都生活。

水鳥も朝ごはんを食べに来ている。

魚を見つめる水鳥を、じっと見つめる私。
鳥好きにはたまらない高野川・・・平安時代にもこうやって鳥さんたちが集まってきていたのかな・・・と妄想してしまう。

水面が水鏡。

京都の歴史を、人間の業を、こうやって映してきたんだろうな。

8時20分。下鴨神社へ。

ちょうど、みたらし祭(下鴨神社境内にある御手洗池に足をつけて、心身ともに清めるという足つけ神事)が行われている。
前もってKYONから「二日目は膝下まで濡れるかもしれないので、膝上まで捲れる服で来てほしい」と連絡が来たので、川か足湯にでも入るのかな?と思っていたら、これだった。まさか神事だったとは。

下鴨神社の境内に広がる原生林・糺ノ森を歩く。

自然と心が静まる。この参道を歩くだけで、本殿にたどり着くまでにいろいろ祓われそう・・・

到着。


格式の高さを感じる。おいそれとは近寄れないような・・・

お参りを済ませた後、みたらし祭の入口へ。

ここから靴を脱いで、足つけ神事の準備をする。

まずは受付でお供え料(300円)を納め、ロウソクのついた棒を受け取る。

はい、受け取りました

そして、御手洗池の入口へ。

ドキドキする・・・

KYON先輩から
「想像以上に水が冷たいから覚悟して入った方がいいよ・・・本当に・・・」
と言われたけど、この夏の暑さだし、冷たいのは大歓迎!と思いながら、いざ御池の水へ。

・・・はい、信じられないくらい冷たい・・・

さすが地下から湧き出している冷水(霊水)、ものすごくピリッとしている。

清らかな水の中をゆっくり進み、祭壇の前の献灯台にロウソクをお供えし、無病息災を祈る。

池から上がった後は「御神水」をいただき、今度は身体の内側から清める。外からも内からもお水で清め、身体がスーッとしてきた。これ以上ないほど、夏にピッタリの神事・・・

再び糺ノ森を歩く。

なんだか青森の奥入瀬渓流を思い出した。

京都ってほんと、箱庭みたい。小さな街の中に、自然も都会も神社仏閣も聖も魔も、とにかく全部がきちんと詰まっている感じ。

森の中を歩いていたら、山鳩(キジバト?)が目の前に現れた。

かわいい・・・

朝ごはんタイムらしい。

マイペースにちまちまつまんでいる。

私たちもそろそろお腹がすいてきたので、朝ごはんを食べに行くことにする。
(この後しばらくの間、足のスースー感が続き、涼しく過ごせた。御手洗池の水、すごい・・・)

つづく。

京都旅6・れぶんcafeで朝食

07 30, 2017
京都旅2日目(7月26日)のつづき。下鴨神社で足を清めたところから。

9時15分。住宅街の中にひっそりと佇むこちらのカフェに到着。


れぶんcafe。
北海道の礼文島出身のオーナーさんが開かれたお店らしい。

窓際カウンター席に座り、窓から外をぼんやり眺める。

かわいらしいお店・・・
そしてこのかわいらしい雰囲気の中、メニューに「北海道産ほっけ」とかがあるのも、なんかいい。カフェとホッケの融合・・・

ホッケもいいけど、とりあえずここはモーニングセットを注文。

シンプルイズベスト。

トーストをかじりながら、
「人って、ぱっと見ではわからないことも多いよね」
という話をする。

例えば私たちで言えば、一見、どちらかと言えばKYONの方が内向的で静か、私の方は外向的で情熱的、と見られがちだけど、実は本質は全く逆、とか。
なぜか昔から誤解されやすいけど、私ほど内向的な人間はいないと自分では思っている。そして、猪突猛進的なところはあるけれど、それは情熱とは全く違うんだよね・・・とKYONに話したら、
「たしかにYUKAのは、情熱とは違うね。心に情熱を持つより前に、身体がすでに行動している、という感じがする」
と言われた。ほんとその通り。実は情熱など、持っていない。オタク的な執着は持つことはあるけど・・・

あとは、はたから見たら人生に何の問題もないように見える穏やかで幸せそうな人が、実は何かに大きな問題を抱えていた、とか。後から聞いて「そうだったんだ・・・」と驚くこともあるし、逆に、こっちが「そんなことがあったの?!」と驚かれることもある。

ついつい印象で決めつけてしまって、わかった気になってしまうけれど、本当のところはわからないもんだねぇ、という話。


次は与謝蕪村のお墓がある金福寺へ向かう。

つづく。
プロフィール

YUKA

Author:YUKA
都内在住・夫婦二人暮らし。
多趣味な夫にわりとついていく私のおぼえがき日記です。
旅日記は旅先からのリアルタイム更新を心がけています。
(しかし最近は家に帰ってからノロノロと更新することも増えました…)

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